やさしい位牌、誕生から10年。

累計1万人以上の方に選ばれた、“想いのかたち”
10年前、「やさしい位牌」という名前をつけたとき、
少しの迷いと、大きな祈りがありました。
「位牌」に“やさしい”なんて言葉をつけること。
それは、少し型破りかもしれません。
でも、私たちが見てきた“祈り”は、
どれもやさしさから生まれていたのです。
人を想う。
その気持ちは、強さでもあり、やさしさでもあります。
だからこそ、この名をつけました。
「やさしい位牌」。

木のぬくもりからはじまった「新しい祈りのかたち」
「やさしい位牌」は、
無垢の木を手のひらで感じながらつくることから始まりました。
桜、メープル、ウォールナット、栗。
それぞれの木が持つ香りや色合い、
そして年月とともに変わっていく風合い。
黒くて金文字の伝統的な位牌とは違い、
暮らしの空気に溶けこむように、
やさしいかたちと質感を大切にしています。
リビングの棚の上に置いても違和感がなく、
静かに、そこにある。
まるで家の一部のように。
それは、“仏壇”という枠を超えて、
現代の暮らしに合った“祈りの道具”としての、
あたらしい位牌の姿でした。

「位牌」という言葉のイメージを、少しだけやわらかく。
「位牌」と聞くと、
どこか遠い存在のように感じる人もいるかもしれません。
でも本当は、もっと身近で、もっとやさしいもの。
大切な人の名前を刻み、
心の中に灯をともしてくれる“想いのかたち”。
それが「やさしい位牌」です。
名前や日付を彫るだけでなく、
その人の「らしさ」もそっと映し込む。
小さな文字の中に、
その人との時間が宿るような気がするのです。
「位牌」は“過去を閉じるため”のものではなく、
“これからも一緒に生きていくため”のもの。
そう考える人が、少しずつ増えてきました。

手のひらで感じる、あたたかい記憶。
「やさしい位牌」は、木でできています。
木には、ほんのりとしたぬくもりがあります。
触れると、しっとりと手になじむ。
それは、まるでその人の手を握っているような感覚です。
木は呼吸をしています。
湿気を吸ったり吐いたり、
季節ごとに少しずつ色を変えていきます。
だからこそ、同じ木の位牌でも、ひとつとして同じものはありません。
10年経った「やさしい位牌」は、
少し日焼けし、艶をまとい、
その家族とともに“時間”を刻んできました。
それは、まるで一緒に生きてきた証のように、
静かに美しく、そこに立っています。

「やさしい」という言葉に込めた想い。
祈りは、かたちにしにくいものです。
でも、かたちがあることで、
人はようやく心を落ち着けられる。
涙が出る日もあれば、
笑って「ただいま」と言える日もある。
どちらも祈りであり、どちらもやさしい時間です。
“やさしい位牌”という名前には、
祈りを日常に取り戻すための願いを込めました。
お寺や仏間がなくても、
リビングや窓辺にそっと置くだけでいい。
自分の暮らしの中に、
その人の居場所をつくることができる。
それは、形式よりも気持ちを大切にする、
いまの時代の祈りのかたちだと思うのです。

そのすべてに「物語」がありました。
この10年で、「やさしい位牌」は
1万人以上の方に選ばれました。
けれど、私たちはその数字を
“販売実績”としてではなく、
“1万人の祈りのかたち”として受けとめています。
ひとつひとつの位牌の向こうには、
家族の物語があります。
ある人は、両親のために。
ある人は、遠く離れた故郷の家族のために。
ある人は、自分の未来の心の支えとして。
そのすべての物語の中に、
「祈り」という静かな共通点がありました。

変わっていく時代の中で、変わらないもの。
家のかたちも、家族のかたちも、
この10年でずいぶん変わりました。
仏間がない家が増え、
祈りの場所が暮らしの中に溶け込むようになりました。
だからこそ、
位牌も“変わっていい”のだと思います。
それは、伝統を壊すことではなく、
心に寄り添うための進化。
木でできた「やさしい位牌」は、
伝統と現代のあいだで、
そっと橋をかけるような存在でありたいと思っています。

「祈る」というより、「想う」。
お寺の鐘の音を聞いたとき。
窓から光が差し込んだとき。
写真を見て、ふっと笑ってしまったとき。
そんな小さな瞬間にこそ、
本当の“祈り”があるのかもしれません。
「やさしい位牌」は、
その“想う時間”のためにあります。
静かで、控えめで、でも確かな存在。
それが、やさしい祈りのかたちです。

これからの10年へ。
木という素材は、時間とともに育ちます。
私たちの「やさしい位牌」も、
これからの10年で、また少しずつ成長していくでしょう。
時を経て、手の跡がつき、
光の色が変わり、家族の物語が積み重なる。
そのすべてが、この小さな木の中に残っていきます。
祈りは、誰かを想う時間のこと。
その時間が、やさしさに変わり、
やがて生きる力になる。
私たちは、これからもその小さな力のために、
木を削り、名前を刻みつづけます。

さいごに。
「祈ることって、
生きている人のためにあるんじゃないかな。」
亡くなった人のために祈っているようで、
じつは、自分の心を支えている。
“やさしい位牌”という名前には、
そんな願いが込められています。
誰かを想うこと。
そのやさしさの行き先が、
今日もあなたの心の中に灯りますように。
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