ありがとうを受け取る、仕事。

昨日、一通の手紙が届きました。
そこには、
きれいに整えられた文字で、
たくさんの「ありがとう」が書かれていました。
最初は、
商品のこと。
無事に届いたこと。
イメージ通りだったこと。
けれど、
読み進めていくうちに、
それはただの感想ではないと気づきます。
「おかえり」と、
思わず声をかけてしまったこと。
その一言に、
すべてが詰まっている気がしました。
大切な存在を見送ったあと。
ぽっかりとあいた時間の中で、
何かを選ぶというのは、
とてもむずかしいことです。
何が正しいのか。
どうすればいいのか。
わからないまま、
それでも、前に進もうとする。
そのときに、
私たちのつくったものが、
そっとそこに置かれる。
ただそれだけのことなのに、
人の心に、
小さな灯りがともることがある。
手紙の中に、
こんな言葉がありました。
「心がゆるみ、涙しました」
ものをつくる仕事をしていると、
つい、形や素材や機能に
意識が向きがちです。
でも、
本当に届けたいものは、
そこではないのだと思います。
触れたときに、
少しだけ安心できること。
見つめたときに、
少しだけ、やさしくなれること。
それが、
私たちの役割なのだと、
あらためて教えていただきました。
オンラインが主流になり、
便利な時代になりました。
けれどその一方で、
人と人との距離は、
少し遠くなったのかもしれません。
だからこそ、
画面の向こうでも、
ちゃんと「人」がいること。
その温度を、
感じてもらえるように。
今回いただいた手紙は、
そんな大切なことを、
静かに教えてくれました。
「何度も連絡するのは迷惑かと思ったけれど、
どうしてもお礼を伝えたくて」
そう書かれていました。
迷惑だなんて、
とんでもない。
その一言のために、
この仕事をしているのだと思います。
ものを売るのではなく、
気持ちに寄り添うこと。
それは、
簡単なようで、
とてもむずかしいことです。
でも、
こうして手紙をいただくたびに、
少しだけ、自信を持てます。
間違っていなかった。
ちゃんと、届いていた。
そしてまた、
今日も手を動かします。
誰かの大切な時間に、
そっと寄り添えるように。
大切なことは、
いつもお客様が教えてくれます。
本当に、
ありがとうございます。

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