その一言が、こんなにも深く、届きました。

いつもお世話になっております。
そんな、ていねいな書き出しから、はじまるお便りでした。
迅速な対応、ありがとうございました。
そう言っていただけることも、もちろんうれしいのですが、
そのあとに続く言葉に、
私たちは、しばらく動けなくなりました。
お位牌とお揃いのおりん。
その、澄んだ音色に、毎日癒されています、と。
音は、かたちがないのに、
心に、ちゃんと届く。
そして、その音の向こうに、
きっと、誰かの気配がある。
息子さんは、男の子だけれど、
シナモロールが大好きだったそうです。
だから、この色だと思った。
このお位牌は、息子にぴったりだと思った。
そうやって、選んでくださった。
お位牌は、ただの「もの」ではなくて、
その人らしさを、受けとめる場所。
だからこそ、
「ぴったりだ」と思えることが、
とても大切なんだと、教えていただきました。
そして、もうひとつの偶然。
息子さんは、軽音部で、
ギターやベースを弾いていた。
音楽が、大好きだった。
お位牌に使われているメープルの木が、
楽器にも使われる木だと知って、
「本当にぴったりだ」と思った、と。
偶然なのか、
それとも、必然なのか。
でも、そう感じられること自体が、
きっと、意味のあることなのだと思います。
元気だった息子さんが、
不慮の事故に遭い、
突然、旅立ってしまった。
その事実の重さは、
言葉にできるものではありません。
それでも、
息子さんが安心して過ごせるように、
前を向いていかなくては、と書いてくださいました。
前を向く、というのは、
忘れることではなくて、
これからも一緒に生きていく、
ということなのかもしれません。
お位牌が、分身となって、
ずっと寄り添ってくれている。
毎日、撫でています。
その手のひらの中にある時間は、
きっと、とてもあたたかい。
私たちは、
木を削り、かたちを整え、
お位牌やおりんをつくっています。
でも、ほんとうは、
その人らしさに、もう一度出会う時間や、
触れることで、心が少しやわらぐ時間を、
つくっているのかもしれません。
一言、お礼が言いたくて。
その一言が、
こんなにも深く、届きました。
こちらこそ、
本当にありがとうございました。
大切なことは、
いつも、お客様が教えてくれる。
今日も、そう思いました。
ありがとうございます。
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